<クラトン(王宮)>
<タマン・サリ(水の離宮)>
<ベチャ>
<バティック工房>
<影絵工房>
スラバヤ行きの汽車が14:00ということで、ジョグジャカルタのクラトン(王宮)と水の離宮(タマン・サリ)に行く。日本語ガイドがつき分かりやすかった。ジョグジャカルタには王様が現在もおり、現在の王様は10世である。政治の中ではジョグジャカルタの知事だそうだ。子供は5人居るが全て女性と言うことで、10世が亡くなれば弟が11世になるという。彼らの父は9世で、かつてはインドネシア副大統領であった。この王宮は1756年に建てられ、守護神(ラクササ)がある門を入ると右手に謁見の間がある。ガラス等はイタリアから輸入されている。ここでは、毎日日替わりで伝統芸能を催している。本日は「詩の朗読(モチョパト)」が行われていた。内容はイスラムの物語だそうだ。クラトンの屋根が特徴的で、屋根を支えている木が軒に向かって収斂している。黒が基調で金、赤等の彩色がなされている。特別に9世の博物館がある。邸内には民族衣装を着て、背中の腰にクリス(ジャワの刀)を差した護衛が居る。昔から王様に使えた家臣と言う。王様のシンボルはHBと言う。正式名はとても長く、ガイドが落語の「ジュゲム・ジュゲム・・・・」だと比喩していた。なお、インドネシアは昔は多くの国に分かれていたため、24の王様が現在でも居るそうだ。ジョグジャカルタでも先の王様以外にもう一人の王様が居る。
三輪車(ベチャ)で近くのタマン・サリに行く。別名「水の離宮」と言う。ゲートをくぐり進むと、高塀に囲まれた大小二つのプールに出る。ここは夫人たちと子供たちのプールだそうだ。端には高い塔が立っていて、窓が開いている。王様がここからプールに花束を投げ込むと夫人たちがそれを取り合い、勝者がその夜、王様の伽が出来るそうだ。夫人も泳ぎ達者で無いと子供が作れない。塔の反対側にも小さなプールがあるが、勝者の夫人と王様だけが使うプールという。少し離れたところから地下に入る。ずっと地下道が続いて居る。その先の地下にモスクがある。不思議なことに、モスクの中心に四方から登れる四つの階段がある。仏教の階段、イスラムの階段、ヒンドゥの階段、そしてキリスト教の階段があり、それらがひとつになって更にうえに上る階段となっている。アジア独特の神々の習合である。ロンボクでもこの現象に出会っている。そして、プランバナンの混合遺跡、更にはヒンドゥのモスクに四角垂がある。仏教寺院の影響を受けたという。
実はこのモスクはかつては200*160メートルの池の中に立っていたそうで、水の離宮の意味合いが分かる。現在は完全に民家で埋め尽くされており、嘗てを偲ぶ縁も無い。
途中、バティックと影絵人形(ワヤン人形)の製作現場を見学する。
ジョグ・ジャカルタに滞在中、気がついたことは、瞳の黒い部分の周りに「ブルー」の色が入った人を多く見かけた。西洋人との混血が進んだためか、別の理由か現在のところ不明である。
14:00から汽車スラバヤに行く。4時間半の旅である。