<たそがれのポートモレスビー>
PNGは治安が悪く、5年に一度の総選挙時期が最も危険といわれている。我々が滞在したのが正に総選挙のまただ中であった。幸運にも地元のブライアンとめぐり合い大変お世話になった。滞在中、マリーナの外に出るときは必ず彼の部下と彼の自動車を用意してくれた。彼らと日中ではあるが町を歩いてもみんな友好的で何処に危険があるか感じられなかった。強いて言えば、オフィス街ではビルごとに厳重なガードマンがおり、住宅街ではトタンの高塀がぐるりと家を囲んでいる様を観ればなんとなく気配は感じる。ただ、マリーナでもブライアンからも絶対に夜間は出歩くなときつく言われていた。
ブライアンの息子の運転で二日ほどポートモレスビー市内と郊外を観光し、PNG文化の入り口ぐらいは分かったつもりである。日本軍縁の「ココダ・トレール」、コリオリ族のツリーハウス、極楽鳥、オウギバト、ラン(デンドロビウム)、アレキサンドラ・トリバネアゲハ、国会議事堂、戦争博物館、民芸品のタパとペニス・ケース、など等、旅の案内書に乗っているくらいは見て回れた。更に総選挙の実情、ブアイの話、言語の話など知ることが出来た。しかしながら、PNGの部族ごとのダンスを見ていないことが心残りである。何回か調べたが、この時期はダンス・フェスティヴルはやっていないそうだ。機会があれば是非見てみたいものである。