天気が崩れると言うので出航を一日ずらすことにした。
暇にまかせてカリブ諸島の解説書を見ているとラム酒についてに記述があったので紹介しておく。
西インド諸島のお酒といえばトウモロコシから出来た”ラム”である。ラムの起源は二通りあり、スペイン人起源説とイギリス人起源説がある。コロンブスが新大陸を発見後、1600年頃バルバドスに入植したスペイン人がサトウキビの糖蜜を蒸留してお酒を作る方法を持ち込んだというもの。一方17世紀にイギリス人が蒸留法を持ち込んだという説がある。
”ラム”の語源は二つ言われています。一つはサトウキビ説。サトウキビはラテン語で「サッカルム」(Saccarum)と呼ばれその語尾のrumから”ラム”と呼ぶようになった説。もうひとつはラム酒は「Rumbullion(ラムバリオン)」と呼ばれるようになった。、即ち、「興奮や馬鹿騒ぎ」の意味から来たと言われている。大航海時代の船員はこれを「ランボーリング」と呼び愛飲していたようだ。また島民は「ラムパッション」とも言っていた。
”ラム”の種類はヘビー、ライト、ミディアム・タイプの三種類ある。
ヘビー・タイプはポット・スティル(単式蒸留器)を使って蒸留で、濃い風味と褐色をしている。ライト・タイプはパテント・スティル(連続式蒸留器)を使い蒸留し、無色透明のラムが出来る。ミディアム・タイプは両方の蒸留器を使って製造する。
西インド諸島ではどの島もそれぞれの”ラム”を持っているが、ジャマイカ・ラムはヘビー・タイプ、プエルトリカン・ラムはミディアム・タイプ、キューバン・ラムはライト・タイプとして有名である。
西インド諸島の人に聞いたところ、もっとも美味しいのはギアナの”エル・ドラド”だそうだ、続いてあげられたのが、マルバドスの”マウント・ガイ”であった。
一方、”ラム”は古くから英国海軍の指定酒となっており、”Pusser's”がそのブランド名である。帆船時代イギリス海軍では水で割って「Grog」と称して愛飲されたようだ。
こちらに来て数種類のラムをたしなんだが、とてもストレートや水割りで飲めるものではない。旨くない。従って、ジュース等で割って飲むしかない。こちらのBARに行ってもラムはこのようにして飲んでいるようだ。変り種として、ピーナッツ・ジュース(ペースト?)で割ったピーナッツ・パンチは強烈であった。