<Diamond Rock>
<Grande Anse D'Arlet>
<Trois Ilets>
9時に錨をあげて、Trois Iletsに向かう。島影を走り且つ、風が後ろからなので快調に進む。二時間ほど走ると、小島の側を通過する。マルティニク島から1800mしか離れていなくて、且つ直系100m程度の本当に小さな島が海面に突き出たように立っている。なかなかの景色である。ところがこの島にはいわく因縁があり、最後はトラファルガー海戦までその因縁は続く。
ナポレオンがヨーロッパ大陸を制覇していた頃、イギリス海軍はその制海権を握っていた。
1804年、イギリスが突如フランス領マルティニクに付属するダイヤモンド・ロックに上陸しついには頂上に砲台を築き、前を通るフランス船に砲火を浴びせていた。これが18カ月も続いた後、さすがにナポレオンも怒り心頭(本当のところは、マルティニクが妻ジョセフィーヌの出身地と言う理由が一番大きいが)に達し、ピエール・ヴィルヌーヴ提督に命じ、目障りな小島のイギリス軍を排除させる。提督は首尾よく排除に成功する。それに先立ち、フランス艦隊がカリブに向かったとの情報を受けイギリス海軍提督ネルソンが急遽、カリブに向かうが情報不足で発見できず、その間にダイアモンド島はフランスの手に落ちてしまう。二人の因縁の対決はさらに続く。
それが有名なトラファルガー海戦である。ことの発端は、あまりフランス海軍の実力を知らないナポレオンがヴィルヌーヴ提督に命じ、イギリス海軍の殲滅を命じた。ヴィルヌーヴ提督は死ぬ覚悟で戦場に臨んだ。皮肉なことに、勝者のネルソン提督が戦死し、死ぬつもりのヴィルヌーヴ提督は負けたが生きて捕虜となる。
岬をまわりこむと、小さな港Grande Anse D'Arletがある。Marin の税関で出国はこの漁港が便利であると教えられていた。ここは正式な税関事務所はないがレストラン(Les Pitit Bateau)にコンピュータがあり、此処に必要事項を入れるとそれでOKである。レストランでとてもとても かわいい2歳くらいと3歳くらいの女の子がいて、盛んに話しかけてくる。よく言うフランス人形そのものだ。言葉は通じなくても楽しい会話ができた。
昼食をいただき、今晩の錨泊地Trois Iletsに向かう。
16時半時ころ錨をおろす。