<元首相とともに>
<元首相のお屋敷から>
<Admirality Bay 全景>
<Frangipani>
トリニダードで得た親友Sさんの紹介で、今回の元この国の首相であったSir. James Mitchellに挨拶にゆく。現在は、船のすぐ前の有名なホテル(Frangipani Hotel)の所有者で、ホテルをたずねると、気楽に出迎えてくれた。しばらく歓談したのち、彼の車(彼の運転)で近くの古い要塞(The Fort)にゆく。湾を見下ろす戦略上重要なところであるとわかる。イギリスとフランスが此処をせめぎ合ったが最終的にはイギリスが勝ったようだ。要塞には英仏両方の大砲が据えられている。
彼の都合で港で女性を拾い、彼の自宅にゆく。東に面した大変風向明媚なところで、建物も迎賓館並みである。女性をおろして改めて、Frangipani Hotel へ行き昼食をとる。Frangipaniとは南国の花の名前で全体が白く縁がピンク色をした花で、南国を表すイラストとしてよく扱われる。
彼はホテルの場所で生まれ育って、トリニダードとカナダのブリティッシュ・コロンビアで農業の勉強したそうだ。最終的には、この国の首相になり、19年間勤め上げたそうだ。日本にも4回ほど来たそうだ。
2003年頃引退しているが、彼の政党を支援するため忙しく国内を走り回っているようだ。聴くところによると78歳でとてもその歳には見られない。彼からいろいろおもしろいことを聴くことができた。
1)此処は元々、捕鯨の基地であり、その名残として、ホテルの隣に「Whale Boner’s Bar」なるものがあり、入り口の門はクジラの大きなアバラ骨でできていた。2月頃から今でもクジラが回遊してくるそうで、運が良ければ数頭で群れをなしたクジラが見られるかもしれない。古来クジラを食する文化があり、近年のクジラ騒動では日本と連携しているという。
2)この国はコロンブス以降、サトウキビ栽培で大きく発展した。ついでに労働者として黒人奴隷がつれてこられ、現在その子孫が国民となっている。その後サトウキビ栽培がすたれ、漁業と造船業(帆船時代)に経済は移っていった。因みに、周りの山々を見ても大きな木がないが、昔は船の竜骨に仕える木々が沢山あったそうだ。船体の板はアメリカから輸入していたそうだ。
鉄鋼船になり造船業はすたれていく。一方、漁業も活発で多くは商船の船員となり世界に出かけて行ったそうだ。これもフィリピン、インドネシアの船員にとってかわられたそうだ。現在は、南側にあるサンゴ礁を開発し、観光で経済を支えようとしている。
3)60~70年前には此処、アドミラル・ベイにはレジャー・ヨットなど見かけたことがない。商業用帆船等は当然行き来していたという。現在は100ハイ近くのヨットが湾内所狭しと錨を入れている。マリーナの開発をたずねたが、湾内が汚染されるので、彼は消極的であった。