<バルバドスの夕焼け:この後グリーン・フラッシュを見る>
給水が目的の寄港なので、観光する時間がない。せっかく寄ったので、旅の解説書により、バルバドスを理解しておこう。
まず、バルバドスは独立国で英連邦の一員で元首はエリザベス二世である。国旗もちゃんとある。国土の大きさは佐渡島の約半分だそうだ。自前の通貨バルバドス・ドルを持っており、1USD=2バルバドス・ドルである。島には高い山がなく最高でも314Mだそうだ。雨が多く、緑が多い。1511年初めて見たポルトガル人がその様子を「イスラ・デ・ロス・バルバドス」すなわち「あごひげを生やした男の島」と言ったそうで、それが島の名前の由来になっている。その後1627年にイギリス人が入植し、植民地となる。彼らはタバコ、綿花、サトウキビを栽培し、労働力としてアフリカから奴隷をつれてきた。現在、その末裔が現在の人口の90%を占めている。島のあちこちは浜辺で「白い砂浜と青い海」が楽しめる。豪華客船もそれらを楽しみに来ているようだ。
通常なら島じゅう歩いて史跡を巡るのだが、仕方なく、旅の解説書から行ってみたい場所を二か所ほど拾っておこう。
モーガン・ルイス風車:サトウキビを絞るための風車で200年の歴史を持つ。国際保護建造物に指定されており、世界の100風車の筆頭に挙げられている
セント・ジョンズ教会:1453年5月29日、オスマントルコによりビザンチン帝国が一千年の幕を閉じた。このとき、ビザンチン帝国直系の子孫がここバルバドスに逃れ、建設されたのがこの教会だそうだ。
話は変わって、カリブと言えばラム酒である。各島にはそれぞれ独特のラム酒があるそうだ。ここバルバドスではマウント・ガイが有名だそうだ。ほかのラム酒と違うところはバーボンの使用済み樽を使って熟成しており、深い香りとコハクの色を有する。
バルバドスのヴァーチャル観光をした後で、いよいよ給水場所を探さねばならない。
近くのチャーター船で作業をしているスタッフにまずは問い合わせる。彼曰く、可能性は二か所あり、一つは浜辺の端にある、バルバドス・ヨット・クラブで問い合すこと。二つ目は昨日通ったコンスティチュウション川の河口にCoolRunningsというチャーターボートの船着き場があり、そこの事務所で問い合わせることとのアドバイスをもらう。まずはバルバドス・ヨット・クラブへゴム・ボートで向かう。なかなか由緒あるクラブで元々はイギリス海軍の跡地だそうだ。まずは会員登録をして水の話をする。結果的には水は貰えそうだが、ポリタンクで運ばなければならないようだ。最後の手段として可能性を残して、CoolRunningsへ向かう。幸い船を横着して給水してもらえることとなる。しかし、高い。満タンにして75USD(7500円相当)である。ポリタンクで運ぶ手間を考えると仕方ないかと納得する。明日出航前に給水する段取りをつけて船に帰る。
夕方、ニュージーランドの船から誘いを受けて、浜辺でのパーティーに参加する。10ハイほどのヨットから20人程度が参加してワイワイと歓談する。
日が水平線にとっぷり落ちる時、待望のグリーン・フラッシュを見ることができた。感激する。太陽が完全に落ちる瞬間のコンマ数秒だが太陽が明るいグリーンに変色する現象である。実はジブラルタルを出航した日にグリーン・フラッシュがあったが、私は透明ビニール越しにしか見ていなかったので是非ともこの現象を見たかった。