09.05.06 アランヤにて
三日ぶりの晴れである。さっそく、元の場所に戻る。スターン・ツー(岸壁に後ろ向きにつける)がヨーロッパでは一般的である。
われわれ日本では長いヨット歴でも一回もしたことがない。(日本はバウ・ツー:舳先からつける)。定位置に船を持っていき、舳先から錨を徐々に下ろしながらうしろにさがっていき、最後に船尾から岸壁に舫いを取る。
まず、定位置にもっていくのが難しい。何しろ両脇の船が既にアンカーを打っており、その狭い間に船を後ずさりできる状況で止めるのは難儀である。ちょっともたもたすると、風でどちらかに振られて定位置から外れる。
そうすると、隣のアンカーとクロスしてしまう。やっと、アンカーをおろしても、慣れていないと、まっすぐ後ずさりするのが、難しい。風で流されたり、プロペラの特性で舵をまっすぐ切っていても、横へ持っていかれる。
今回も、エンジン付きのゴムボートで位置をなおしながら、なんとか、スターン・ツーでつけることができた。
位置を直すためには、バウ・スラスター(船首の船底に横向きのプロペラを埋め込んだもの)が有効のようだ。
午後から、アランヤの町に出かける。町は大変きれいである。ツーリスト・オフィスで聞くと、多くのヨーロッパ人が観光に来るようである。さらには、彼ら用の別荘が多くあるそうである。
したがって、小奇麗なレストランがずらっと立ち並んでいる。英語もそこそこ通じる。
船に帰って、4か月ほど一緒に航海したヨットから、ヨット用に編纂された、停泊地ガイド集をごっそりいただいた。お礼に、Mr.Sがマストに登り、洗浄をするお返しをした。
夜は、今迄貯めていた、線画に色を入れ、二枚の水彩画を仕上げた。(しばらくは、この場所に掲載する:いずれ、線画作成日に移します)